ここ近年少しは認知度が上がってきたと感じる『糖質制限』ですが、まだ実践している人は少数派です。職場で医療関係者に話をしてみても、「ちょっと変わった人」という目で見られることの方が多いのです。しかし、私はは敢えて記事にしていこうと思います。
糖質制限には様々なメリットがあります。ダイエットの成功、安全な妊娠・出産、子供の健全な成長、健康維持、糖尿病治療、そして癌治療。癌治療には癌の予防や再発防止という意味も含んでいます。このブログをご覧になる方の多くが最も関心があるのが、この癌と糖質制限の関係だと思いますので、今日はそのご紹介です。
まだごく小さな動きですが、糖質制限を癌治療にも取り入れる動きが、ここ数年で活発になりつつあります。個人的に最も注目しているのが、フェイスブックで情報発信されている藤川徳美医師が提唱された『ビタミン・ケトン療法』です。藤川医師のこの理論に基づいて治療を実践されているのが、友愛病院の『水野』先生や『パラダイムシフト好きの外科医』先生です。
何その治療法?と思われた方、水野先生が『ビタミン・ケトン療法』について分かりやすくまとめた動画がありますので、こちらをご覧ください。
10分バージョンは⇒コチラ
そして水野先生のブログは⇒こちら
パラダイムシフト好きの外科医先生のブログは⇒こちら
このお二方は実際にこの治療法を実行され、癌治療でも成果を出されています。私は形成外科医ですので、癌治療にこれらの新しい治療を実際に行う機会はありません。ですので、自分自身の経験としてこの新しい治療を語ることが、本当に残念ながら今の環境ではできないのです。ですが、癌治療に関わる人間として、少しでも多くの人に有益な情報が届いて欲しいと願って今日はそのご紹介をしました。強調しておきたい事は、この治療法はこれまでの癌治療を否定するものではなく、現在の治療の有効性を高めつつ、同時進行で行っていける治療法だということです。
また、糖質制限の効果については、往々にして、科学的根拠(エビデンス)を示せという批判がされますが、私はその批判は批判として受け止めつつも、現象として効果が報告されている以上、エビデンスがないからという理由だけで、情報自体を医療関係者の中に閉じ込めてしまうことがあってはならないと考えています。柔軟な思考でその動向を注視し、その情報によって救われる可能性がある方がいるのなら、その方ご自身の判断で情報を収集するきっかけとなる情報くらいは、医療者から発信すべきではないかと思っています。
次回は、私の経験談として糖質制限の話をしたいと思います。