PRP療法で用いる『マイセルキット』を取り扱うベリタスの赤石さんが、遠路はるばる、木沢記念病院まで施術の指導に来てくださいました(赤石さん、ありがとうございました)。
まずはスタッフの一人が自分の血液を採取し、
PRP1ccを作成してみました。
検査科で血小板数を測定してみると、結果は68.4万 。
普段の血小板数が約30万弱だそうですので、約2倍の濃縮率です。
文献的には、PRP濃縮率が2倍から6倍で血小板活性が促進し、9倍から11倍の高濃度では抑制するとの報告があるそうです。私も加盟しているアンチエイジング学会の会長の久保田潤一郎先生はPRP療法でも有名な先生ですが、その久保田先生が推奨されている濃度が2.5倍から5倍というのはそれが根拠になっているようです。
68.4万という数値は、PRP療法としては効果が期待できる濃縮率ではありますが、もう少し濃縮率が高いことを期待していました。
そこで、今度は赤石さんが実演。
今度は私の血液を採取し、
赤石さんがPRPを1cc作成してくださいました。
早速、検査科に持っていき血小板数を測定してもらうと、
結果は111.6万!
私の普段の血小板数が30~35万なので、
約3倍の濃縮率と言えます。
赤石さんが作成された私のPRP濃度の111.6万は、
約3倍の濃縮率なので、理想的な濃度だと言えます。
もう一つ、私には気になっていることがありました。
それは、遠心分離の方法です。
遠心分離の方法には2回法と言って、遠心分離を2回行う方法もあります。まず1回目の遠心分離で赤血球とその他の血漿成分に分離し、2回目に赤血球以外の血漿成分を再度遠心分離にかけ、血小板を取り出すという方法です。この2回法を行った方が、より血小板をしっかりと分離できるという意見もあります。それに対して、マイセルキットは1回法なので、その点は大丈夫なのかという疑問がありました。
そこで、赤石さんに無理を言って、2本目のスピッツで分離した血漿成分全てを別に用意したスピッツに移し、2回目の遠心分離を試みてみました。その結果、血小板数は89.4万。
1回目の111.6万より下がっています。
おそらく容器を移し替える際などにロスがあった為と思われました。
この実験から、マイセルキットを使う限りは、1回の遠心分離で十分であることが証明できました(疑ってすみませんでした!)。
さて、作り手によってPRPの濃縮率が異なり、結果に差が出てしまうということがわかりましたので、毎回安定した結果を出すために、何らかの工夫をせねばなりません。
(つづく)