ニキビ跡の治療

みかこクリニックでもニキビ跡の治療に関するご相談はとても多いです。
ニキビ跡で悩まれている方が実際は私の想像以上に多いのかもしれません。
みかこクリニックでは3つの治療方法をご提案しています。


 ニキビ跡の治療の一般論


私がニキビ跡の治療で最も強力だと考えているのが、フラクショナルCO2レーザーです。ニキビ跡治療は『瘢痕治療』でもありますが、日本形成外科学会の瘢痕治療ガイドラインの作成に携わった過程でいろいろと文献を調べてみた結果、CO2レーザーを含めた各種のフラクショナルレーザーによる瘢痕治療は、エビデンスレベルが高い治療だということも分かりました。

 

前の職場の木沢記念病院では、そのフラクショナルレーザー治療として、「アンコア」というCO2レーザーを用いた『ブリッジセラピー』を行っていました。ダウンタイムは大きいものの、結果は素晴らしいものがありました。ですが、みかこクリニックの開院に際しては、予算上の問題から導入を断念しました(そもそも個人のクリニックで簡単に導入できるようなお値段ではないのです)。また、木沢記念病院では7~8年にわたってブリッジセラピーを行ってはいたのですが、ダウンタイムが大きいことから、素晴らしい治療であるにもかかわらず、実際に治療に踏み切る方がとても少なかったことも、導入を断念せざるを得なかった理由でした。


 みかこクリニックのニキビ跡の治療


そこで、みかこクリニックでご提案するニキビ跡の治療方法は、

①ピコシュア『フラクショナル』レーザー照射
②ダーマペン4によるニードリング治療
③フォトナ『フラクショナル』レーザー照射

という3つの施術メニューになります。


【①ピコシュアによるフラクショナル照射】
フラクショナルCO2レーザーが皮膚表面に傷ができる「アブレイティブな照射」であるのに対し、ピコシュアのフラクショナル照射は皮膚表面に傷をつけない「ノンアブレイティブな照射」であることが特徴です。CO2レーザーと同等の効果とは言えませんが、ダウンタイムが24時間程度であること、色素沈着がほとんど出ない割に、効果が大きい点で素晴らしい治療だと思います。ダウンタイムを極力抑えつつ、高い効果を出したいという方に向いています。

 

【②ダーマペン4によるニードリング治療】
ニードリング治療は、瘢痕に針で微細な傷をつけ、その創傷治癒の過程で瘢痕の質を改善していく方法です。傷をつけるという点では、フラクショナルレーザーと同じ作用があります。熱作用が加わらないことから、CO2レーザーなどのアブレイティブな施術に比較して色素沈着が出にくいこと、レーザーに比べるとランニングコストが低いため、コストを抑えられることがメリットです。デメリットとしては、治療の回数がかかることです。経験上のざっくりとした感覚ですが、ダーマペン4による施術の3~5回分の効果が、ブリッジセラピーの1回分の効果に相当するような印象です。

ダーマペン4でのニキビ跡治療は回数がかかりますので、問題になるのがトータルでのコストです。そこで、ニキビ跡治療に特化したダーマペン4の施術メニューを設けています。

ダーマペン4『ニキビ跡治療』では、全体的な施術はマイルドに軽く短時間で行う代わりに、ニキビ跡の目立つ部分に対しては、針の設定を変えて『しつこく』かつ『手厚く』施術を重ねるというものです。お一人お一人で皮膚の硬さ、瘢痕の硬さが異なり、針の入り方にも違いがありますので、初回は医師(私)が施術を行い、痛みの反応も見て、その方に最適な設定を探ります。2回目以降、費用を抑えたい方は看護師施術で継続することをお勧めします。一度で劇的に改善するという治療ではありませんので、2回目以降も継続的な施術が必要となりますが、どの時点で治療結果に満足して終了されるかは、患者様のご希望で決めていただきます。いずれにしても、カウンセリング時に、他のニキビ跡治療の方法との比較などのご説明もしますので、ニキビ跡でお悩みのかたは、まずはカウンセリングにお越しいただければと思います


【③フォトナによるフラクショナル照射】
フォトナのエルビウムヤグレーザーを点状に照射します。色素沈着が軽いのが特徴で、効果の大きさに比較してダウンタイムが軽いので、みかこクリニックでニキビ跡治療の相談に来られた患者様には、フォトナ『フラクショナル』(エルビウムヤグレーザー)による治療を第一にお勧めしたいと考えています。

 >>>  フォトナ『フラクショナル』のページ



 ニキビ跡の治療例


フォトナ『フラクショナル』照射+『ダーマペン4』の両方を施術してみたモニター患者様の治療経過をご紹介します。

まず、治療の履歴をご覧ください。

2月 ①ダーマペン4 (1回目/医師施術/塗布麻酔)
3月 ②ダーマペン4 (2回目/看護師施術/塗布麻酔)
4月 ③ダーマペン4 (3回目/看護師施術/塗布麻酔)
5月 ④ダーマペン4 (4回目/看護師施術/塗布麻酔)
5月下旬 ⑤ダーマペン4 (5回目/医師施術/ブロック麻酔)
7月中旬  スキンブライセラム0.5%使用開始
7月 ⑥フォトナ『フラクショナル』 (医師施術/塗布麻酔下)

下の写真は、『ダーマペン4』を計4回(初回は医師施術、その後の3回は看護師施術)した結果です。


拡大した写真です。


『ダーマペン4』は強めの設定で、4週間ごとに治療を繰り返したため、色素沈着が生じていますが、お肌の凹凸には明らかな改善が見られます。患者様も治療効果を実感してくださり、このまま継続していきたいとのご希望でした。

ですが、過去にフラクショナルCO2レーザー『アンコア』を使用してニキビ跡治療を行ってきた私からすると、上の写真の段階で、いまひとつ改善度が物足りないと感じました。そこで、『ダーマペン4』のウェブセミナーに参加して情報収集に努めた結果、ニキビ跡の治療について、海外の先生が行っている具体的な施術方法を知り、患者様にもご説明した上で、その方法を実際に施術させていただくことになりました。

上では、モニター患者様の4回目の治療後までの経過写真をご紹介しました。

そして、5回目の治療として、今回の新たな「より強い」方法を行いました。

これまで行ってきたダーマペン4「ニキビ跡プラン」は、強めの施術とは言え、クリーム麻酔塗布のみで施術を行っていましたが、より強い治療を行うために、今回の施術方法では、顔面の神経ブロック麻酔を左右3か所ずつ、計6か所に注射しました。

施術直後の写真は、出血が写っているなどの理由により、ここでは掲載することはできませんが、クリニックでのカウンセリング時にご覧いただくことができます。

気になる治療の効果ですが、結論から言いますと、残念ながら期待したほどに改善は見られませんでした。施術後は浸出液が多く出て、内出血もしばらく続いたそうです。それだけの大きなダウンタイムがあったなら、さぞかし改善しただろうと期待して比較写真を見てみたのですが、下の写真の通り、4回目の後の状態からの改善はわずかでした。


ウェブセミナーで海外の先生が紹介されていた症例では、もっともっと大きな改善が見られましたので、私のやり方にまだ甘さがあり、さらに「より強い」施術が必要だったのかもしれません。

そんな時期でした。ダーマペン4でのニキビ跡治療については、まだまだ研究の必要があると感じていたまさにその頃、フォトナのエルビウムヤグレーザーを『フラクショナル』照射するハンドピース(照射部分の先端に付け替えるアクセサリー)を、販売会社の方からお借りする機会を得ました。


そこで、「より強めのダーマペン4」を含めて計5回の『ダーマペン4』による施術を行った後、6回目の治療として、フォトナ『フラクショナル』による治療を行うことにしました。

フォトナ『フラクショナル』の施術直後は、『ダーマペン4』とは異なり出血は見られませんが、赤みは強く出ます(もちろん照射の強度によります)。

そして、下の写真はフラクショナル照射後2か月の様子です。

いかがでしょうか?
フォトナ『フラクショナル』、たった1回の施術ですが、写真のような改善が見られています。照射の方法をさらに工夫すれば、1回の照射でもさらに改善させられる可能性があり、現在でも日々研究中です。

5回目の治療で行った「ブロック麻酔下でのダーマペン4」と比較しての大きな違いは、①施術の際の痛みが軽いこと、②施術後のダウンタイムが非常に軽いことが挙げられます。

照射の際の痛みに関しては、フラクショナルCO2レーザー『アンコア』の場合は、痛みがかなり強く、クリーム麻酔をしっかり塗布しても、全ての患者様が施術中に相当な我慢をされていた記憶がありますし、『ダーマペン4』の場合も、クリーム麻酔のみだと、強めの施術ではかなり痛がられていました。

フォトナ『フラクショナル』によるエルビウムレーザー照射は、痛みが全く無いわけではありませんが、フラクショナルCO2レーザーや強めのダーマペン4の施術と比較すると、驚くほど痛みが軽いです。モニター患者様も、フォトナ『フラクショナル』の方が、『ダーマペン4』より楽だったと言われていました。

また、「強めのダーマペン4」の施術では、施術後に浸出液が多くて大変だったとのことですが、フラクショナルエルビウムではほとんど浸出液が出なかったそうです。また、「強めのダーマペン4」では内出血の後がしばらく気になったそうですが、フラクショナルエルビウムでは内出血は全く起きず、施術後にできたかさぶたは約4日ほどで全て取れたそうで、経過がとても楽だったそうです。

そして、私が一番感動したのが、色素沈着の軽さ!です。もちろん、その方の肌質にもよりますが、フラクショナルCO2レーザーであれば、照射2か月後というのは、色素沈着が非常に強くでている時期なのですが、それと比較すると、フォトナ『フラクショナル』は非常に色素沈着が軽いと感じました。フラクショナルCO2レーザー『アンコア』を使用していた時、その結果は素晴らしいのですが、色素沈着が強く出るタイプの方では、現実的な問題として、治療の回数が重ねられないことが悩みでした。もちろん、フォトナ『フラクショナル』でも、照射の強さと肌質によっては色素沈着が出るのですが、フラクショナルCO2レーザーとは比較にならない軽さです。

以上の経過からの結論としては、効果の大きさに比較してダウンタイムが軽いので、みかこクリニックにニキビ跡治療の相談に来られた患者様には、フォトナ『フラクショナル』(エルビウムヤグレーザー)による治療を第一にお勧めしたいと考えています。ニキビ跡の性状によっては、フルスポットで照射するハンドピース『R11』での面取り(角ばっている凹みの角を削ってなだらかにする処置)や、面での照射も加えて、さらなる効果を追求することを始めています。

縷々ご紹介してきましたように、ダーマペン4も効果があることは確かですので、ご希望の方には引き続き施術を行っていきますが、ダーマペン4での治療を選択される場合でも、凹凸の激しい部分に対しては、フォトナを用いて面取りなどの局所的な処置を行ってからの方が改善が早いと思いますので、必要のある患者様には、レーザーとの併用をお勧めしようと考えています。

ただ、今回ご紹介しましたように、フォトナ『フラクショナル』があるのに、わざわざブロック麻酔を行ってまで「強いダーマペン4」を施術をするメリットは無いと感じましたので、今後は、『ブロック麻酔をしてまで行うほどの』強いダーマペン4の医師施術は施術メニューからなくそうと考えています。

改めて、モニター患者様の初診時と現在の比較写真をご紹介します。

強めの施術を短期間にくりかえしている影響で、色素沈着が出ています(これに対しては、ハイドロキノンのパッチテストを行った上で、アレルギーが無ければ、使用を開始する予定です)。

また、より効率的に皮膚の入れ替えを促進する目的で、レチノールの使用を開始しました。レチノールの使用は、レーザーやダーマペン4の治療開始前から行っておくのが、治療効率を高める方法だと思います。


一朝一夕に改善させることは非常に困難なニキビ跡ですが、一歩ずつですが、確実に改善してきています。そのためか、患者様の表情が初診の時よりも明るくなり、笑顔も増えてきた気がして、私もスタッフも嬉しくなっています。まだまだ改善させるべく、治療を継続する予定ですので、また経過をご紹介したいと思います。



 施術の料金


施術の料金については、こちらをご覧ください。
  >>> 『施術料金表』のページ

ニキビ跡の治療で重要なことの一つに、「新しいニキビを作らない」ということがあります。新しいニキビができないようにするには、スキンケアと同じくらい栄養面の改善も重要です。みかこクリニックでは、ご希望の方には栄養面での改善の指導も同時に行っていきますので、お気軽にご相談いただきたいと思います。

なお、ニキビの保険診療は行っておりませんのでご了承ください。

 


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