PFD療法

PFD療法」についてご説明する前に、「PRP療法」についてご説明したいと思います。

「PRP」とは、Platelet Rich Plasmaの略で、日本語では多血小板血漿、つまり血小板が多く含まれる血漿成分という意味になります。そして「PRP療法」とは、自分の血液を採取し、特別なスピッツと遠心分離器を用いて、血漿成分の多く含まれる血漿成分を分離し、その液体を注射することで、様々な若返り効果を期待する治療です。

前職時代にもPRP療法を行っていましたので、その際には検査室で血小板の数を調べたり、色々と興味をもって治療を行っていました。

前職時代のPRP作成の様子について⇒こちらです

安全性が高いという点で、個人的にも大好きな治療で、自分の顔にも何度か施術を行いました。みかこクリニックを開院するときもPRP療法を継続したかったのですが、第3種再生医療に該当することで許可申請のハードルが高かったこと、許可申請などの手続きを行うことでどうしてもコストが高くなってしまい、価格の面で受けやすい治療ではなくなってしまうことから、導入を断念していました。

そのPRP溶液をフリーズドライとしてバイアル化し、保存しておけるという技術ができました。それを、『PFD』と呼びます。PFDとは、 Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dryの略で、日本語にすると、血小板由来因子を濃縮して凍結乾燥保存したもの、という意味になります。

この「PFD」は効果の面でも「PRP」と遜色がなく、製造を外部の専門施設に委託することでコストを下げることができ、料金の面でも現実的な治療の選択肢になりそうだと思いますので、みかこクリニックでもぜひ導入しました。

PRP療法に変わる新治療について、さらに詳細をご紹介します。

新治療の『PFD療法』でも、採取した自分の血液から自分だけの製剤を作成し、それを自分自身に注入することで若返りを図るという点では、PRP療法と変わりありません。

みかこクリニックでは、その「PFD」の作成を委託する会社として、2つの会社を決定しています。

まず、ご紹介するのが『VFD』です。

委託するのはセルソース株式会社です。

『VFD』というのは、「Valuable PFD」の略だそうです。「PFD」とは、「Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dry」(血小板由来の成長因子を含む濃縮液を凍結乾燥保存したもの)という意味になりますので、『VFD』=『価値のあるPFD』とか『進化したPFD』というニュアンスだそうです。

簡単に分かりやすく言うと、PRP(多血小板血漿)からサイトカインなどの有効成分を抽出してフリーズドライしたもの、ということになります(VFDには、白血球由来の成分やヘモグロビンの成分も入っています)。有効成分のみが抽出され、細胞成分は取り除かれるそうです。

『VFD』は効果の面でもPRP療法と遜色がなく、製造を外部の専門施設に委託することでコストを下げることもでき、患者様にとっても現実的な治療の選択肢になりそうだと思いますので、みかこクリニックの新治療としても導入することに決定しました。患者様から採取した血液をVFDに加工する専門施設は、整形外科領域では関節内注入などで既に多くの実績を出している会社の専門施設ということで、安全面でも信頼できると判断しました。

以前にPRP療法で使用していたのは、PRP療法では実績のある『マイセル』というメーカーのPRP作成キットでした。マイセルのキットは、痛みや腫れの原因となる白血球が取り除かれたPRP溶液が作れることがメリットでした。でも、白血球由来の成分には抗炎症作用などが期待できる成分が含まれているそうで、VFDでは白血球の細胞成分は取り除いて、有効成分だけが抽出されていることがメリットのようです。

「VFD」の作成には採血から約3週間がかかります。1回の採血で6バイアルのVFDが作成されて、保存期間は6か月となっています。1回の施術で目元などの小範囲なら1バイアルの使用でも良いそうですが、半顔に近いの面積の場合は2バイアルの使用がお勧めとのことでした。

みかこクリニックで取り扱っているもうひとつの会社をご紹介します。

もうひとつ導入したのが、

『L-cepher(エルセファー)』というPFDです。

委託先は、株式会社細胞応用技術研究所(L-CAT)です。

『VFD』と同じく、こちらも自分の血液から作成します。聖マリアンナ医科大学との産学連携で立ち上げられたベンチャー企業であるL-CATという会社が作成しています。先日、こちらの製剤の取り扱い会社の方ともお会いして、VFDとの違いなどを詳しくお聞きしました。

メーカーの方によると、VFDとの違いは、

・エルセファーは塩化カルシウム不使用

→意図的に成長因子を活性化させないため、成長因子の存在割合を変えない 

→石灰化や肉芽腫の原因にならない

・成長因子量の違い

→EGF/PDGFは約4倍ほどエルセファーの方が多い(研究所データ)

→通常、無細胞化する際にフィルター操作を最後に行うが、エルセファーはフィルターを使用ずに無細胞化ができるため、細胞片(デブリ)にある成長因子も取り出すことができる

・エルセファーは感染症検査をしないことで、失活する前に成長因子を取り出せる

・完成までの期間は2週間

・バイアルではなく、注射器に製剤が詰められて納品されるため、製剤作成でのロスが少なく、取り扱いがしやすい

・冷凍または冷蔵で保存期間は1年間

・白血球由来の成分が美容を目的として使用する場合に有効とは考えていない

などなど、大変興味深い内容でした。どちらが優れているのか、今のところまだ私には分かりません。ただ、いずれの会社の製剤を選択しても、現行のPRP療法と遜色のない結果が出そうだということは言えそうです。目的に合わせて使い分けるメリットがあるかもしれませんので、いずれの製剤も選べるような体制にしておこうと思います。そして、今後も情報収集を続けていきたいと思います。

新しい治療をどう呼ぶのか、悩ましいのですが、フリーズドライPRPではなんだか食品のようで軽く聞こえてしまうので、とりあえずは『PFD療法』と呼んでおきたいと思います。

PFD療法では、小じわ、キメ、ハリの改善などの美肌治療のみならず、育毛治療、ニキビ跡治療のにおいても有効ですので、フラクショナルレーザーとの併用など、治療の幅がぐっと広がることになります。

【PFD作成費】
VFD   (6バイアル) 120,000円(税込132,000円)
エルセファー(6シリンジ) 120,000円(税込132,000円)

※初回PFD作成費用には栄養療法の採血の料金も含みます。
PFD療法を継続する可能性も考え、かくれ貧血などがないかどうか、
PFD採血の際に同時に調べることにします。

※VFDでは感染症が判明した場合、キットの作成ができません。
その場合、採血費用1万5千円をご負担いただくことになります。


【PFD施術】
ダーマペン(看護師施術)
30,000円(税込33,000円)/2バイアル/1回 

メソガン(看護師施術)
35,000円(税込38,500円)/2バイアル/1回

手打ち(医師施術)
25,000円(税込27,500円)/1バイアル/1回(下眼瞼のみ)
35,000円(税込38,500円)/1~2バイアル/1回
40,000円(税込44,000円)/3~4バイアル/1回

※クリーム麻酔代別