小陰唇形成術に関するお問い合わせをいただくことが度々あります。お問い合わせの内容は、手術の方法や使用する糸に関するものが多いので、関心のある方はより具体的な情報を求めていらっしゃるのだと思います。そこで、当院での方法についてご紹介しておきたいと思います。
まず、使用する器具についてですが、メスを用いて浅く皮膚切開を行ったあと、組織の切除は高周波電気メスを使用しています。次に、組織の切除方法ですが、小陰唇の厚さを考慮してV字型に切除します。薄い方ではV字にしすぎないことが重要で、縫い代ができる程度を目途にしています。止血を十分に行った後、中縫いの縫合をします。糸は吸収糸のバイクリルという糸を用いています(その後、糸を変更しました。詳しくはこちら)。血腫ができないように死腔をつぶすように縫合するようにしています。続いて外縫いですが、中縫いの糸よりさらに細く柔らかい吸収糸のバイクリルを使用しています。
抜糸は10日前後で行っています。吸収糸なので絶対に抜糸が必要というわけではありません。でも、糸があると下着との間ですれて違和感や痛みの原因になることもあるので、抜糸したほうが早く快適になると考えています。
傷跡がデコボコになることを心配される方も多いようです。確かに、抜糸終了の時点では、少しデコボコしているように見えます。ですが、これは抜糸の時点ではまだ腫れが残っているためで、時間の経過と共に目立たなくなっていき、最終的には気にならなくなるようです。
術後の生活の注意点ですが、小陰唇形成術を行っているクリニックのホームページをいろいろと見てみましたが、クリニックによって注意点は少しずつ異なるようです。私が患者さんに説明していることをまとめてみます。
➀術後は安静が重要(特に当日は安静に)です。
②当日の飲酒、入浴、運動は血腫の原因になるので禁止です。
③傷の処置はトイレのあとウオッシュレットで洗浄し、ワセリンを塗布してもらいます。
④下着がワセリンや出血で汚れないように、生理用のナプキンを使用してもらいます。
⑤性交は傷が開かないように3週間は控えてください。
ちなみに、アメリカ形成外科学会のホームページではどんな説明がしてあるのか気になって調べてみました。原文はコチラ
小陰唇形成術後の説明を私なりに和訳してみました。参考にしてみてください。
以下です。
『ほとんどの患者は1週間の休みをとります。その間に下着と伸縮性のあるガードルのような衣類との間に冷たいアイスパックを挟んで冷やすことにより、腫れや痛みを軽減することができます。 これは、「20分冷やし、20分休む」ことで行うことができます。 患者は、腫脹を軽減するために、腰を高くして寝ることもできます。
タンポンを着用したり、性交が可能になるのは4〜6週間後からです。 小陰唇の先端を切除するのみの形成術の場合は、もっと早い回復が見込まれます。
目に見える腫脹は6週間で消えますが、腫脹が完全に消えるまでに6ヶ月かかることがあります。』