みかこクリニックに導入予定の機器紹介。
第5弾は、電気メスの通称「エルマン」です。
言うまでもなく、外科医にとって電気メスは不可欠な道具です。
ですが、「エルマン」は、手術で用いるだけのただの電気メスではありません。
もうかれこれ10年以上エルマンを愛用していますが、「エルマン以外は使えない!」と思うほど、エルマンのファンでもあります。
そういえば、大阪でエルマンの講習会に参加したブログ記事を書いたこともありました。あの時はタコで実習を行い、その帰り道にタコ焼きを食べました(その時のブログは⇒こちら)。
みかこクリニックでは、手術のほか、ホクロ取りでもエルマンが活躍する予定です。
ホクロ取りの施術を行う上で重要なことは、傷跡を完全にゼロにはできないものの、その傷跡をいかにきれいに仕上げるかだと考えています。以下は、私の経験からの個人的な意見ですが、3mm以下の小さいホクロであれば、どんな道具を使おうと、傷跡の結果は同じだと考えています。しかし、ある一定の大きさ以上(ざっくり言って4〜5mm以上)の大きさになると、ホクロを取る道具(機器)の性能によって、傷跡の結果が変わってくると思っています。どんな道具でもホクロが取れることに変わりはないのですが、傷跡の綺麗さが違ってくるのです。
私自身は、これまで5種類のCO2レーザーを使用した経験があるのですが、その中でも群を抜いて結果が綺麗だと思うのが、ウルトラパルスモードのCO2レーザーです。ブログでも度々ご紹介してきた木沢記念病院の「アンコア」という機種がそうでした。しかし、このウルトラパルスモードが出るアンコアですが、以前にも書いたことがありますが、超高額なのです。とても、個人のクリニックでCO2レーザーにこれだけの投資はできない!というお値段です。それで、開業を考え始めた時から、アンコアに匹敵するホクロ取りの治療器を探さねばと考え始めました。そこで思い出したのが、エルマンでした。エルマンでホクロ取りができることは、大阪でのセミナーの時から知っていたのですが、その後、アンコアが来たことで、すっかりエルマンの出番が奪われていたのでした。
エルマンによるホクロ取りの結果をご紹介します。
その前に、アンコアによるホクロ取りの結果をご覧ください。
CO2レーザーで組織を蒸散した時に、組織の表面が黒くなる事を「炭化」と言うのですが、アンコアでは全くと言えるほど、この炭化が起こりません。組織のダメージが少ないことも見てとれます。
次に、エルマンで施術した結果です。
(右の写真は、施術直後の状態です。)
ほぼアンコアと同じ結果で、全く炭化を起こすこともなく、ホクロがきれいに取れています。
同じ患者さんで、患者さんのご承諾を得て、効果の比較を行いました。
(写真使用をご快諾いただきましてありがとうございました!)
同じ患者さんであっても部位が異なるので、単純に比較はできません。特に、エルマンで施術した鼻はもともと綺麗に治りやすい部位なので、エルマンが有利かもしれません。ただ、アンコアで施術した部分は周囲に熱損傷と思われるびらんが見られますが、エルマンでは周囲の熱損傷が見られないのが自分でも新たな発見でした。
その他の患者さんでも数多くの施術を行わせて頂きましたが、期待以上の結果ばかりでした。エルマンの良いところは、厚みのある組織でも一瞬で狙った深さで削り取るので、組織に与えるダメージ、特に熱作用によるダメージが少ない点にあると思います。特に、隆起しているホクロを削る場合は、CO2レーザーより格段に処理のスピードも早く、結果として組織へのダメージが少ないと思います。
何例も治療を行い、経過も観察した結果、エルマンでのホクロ取りはアンコアでのホクロ取りの結果と同等、場合によっては優れているのではないかと考えるようになりました。ただ、CO2レーザーと比べてエルマンの方が難しいと感じる点は、力の入れ方次第で必要以上に深く削れるということが起こりうるので、より集中力を要する点だと思います。そこは施術者の力量が問われます。
みかこクリニックに導入するフォトナのエルビウムヤグレーザーでもホクロ取りができます。フォトナの特性をさらに研究した上で、フォトナでのホクロ取りについてもまたご紹介したいと思いますが、私としては、まずは自信をもってエルマンでのホクロ取りをお勧めしたいと思います。