もうだいぶ前の日曜日のことですが、父のために焼いた低糖質のふすまパンと、父に飲んで欲しいサプリメント(今回は亜鉛)を持って、孫の顔を見せがてら実家に行きました。
77歳になった父は、以前からも様々な慢性疾患を抱えていたのですが、前年からまた別の新たな慢性疾患を発症して苦しんでいます。何か所もの病院を受診し、薬も何種類も試しているのですが、いっこうに良くなりません。私は発症当時から糖質制限と栄養の重要性を両親に説いてきたのですが、なかなか伝わりません。
「バランスよく食べることの方が大事だと思うのよ。」
「ご飯はやめて、ライ麦パンにしたから。」
「果物はたくさん食べた方がいいでしょう。」
「おやつの時間だから、一緒に食べたら?」
実家でこんな言葉を聞くたびに、『諦めてはいけない』と自分に言い聞かせながら、糖質制限の話を繰り返します。そうです、身内ですら、理解し、実行してもらうのは大変なことなのです。一緒に暮らす夫ですら、本当に理解してもらうまでには何年もかかりました。でも、諦めたら終わりです。自分の大切な家族ですから簡単に諦めるわけにはいきません。
ふすまパンを届けるついでに本を貸してきました。
読み終わったばかりですが、非常に素晴らしい内容でした。
「この先、○○ちゃん(孫)を預かってもらう時に、理解しておいて欲しい内容なのよね。」と、そう母に伝えます。元保育士で、現在孫にメロメロの母は、こうい言えば必ず読むに違いありません。名づけて「孫をダシに糖質制限に誘導」作戦です。
「子供にも糖質制限?大丈夫なの?」そう思われる方も多いかもしれません。大人は自分で何を食べるか決められますので、大人が糖質制限を行うことについては全て自己責任です。しかし、自分の意思で食べるものを決められない子供に糖質制限を行うかについては賛否両論あるようです。だからこそ、より沢山の情報を収集し、わが子の健全な成長のために、より良い食事を選択するのも、大人である親の責任だと思います。
子供の糖質制限についても、専門家である小児科医の中でも意見は割れているようです。私が参考にさせて頂いている糖質制限推進派の先生のブログをご紹介しておきたいと思います。
ご紹介したブログの記事の中にもあるように、糖質制限に反対されている小児科医の先生の反対する理由も様々あるようですが、特に乳幼児の場合、糖質を制限した場合のエネルギー源となるケトン体を分解する酵素が先天的に欠損する、先天性ケトン代謝異常症(常染色体劣勢遺伝)の子供が存在することもその理由の一つのようです。ただし、その割合は非常に低いようです。例えば、ケトン体の利用障害であるβケトチオラーゼ欠損症は、世界的な報告で現在100例程度、日本では8家系11人程度だそうです。もちろん、専門家としては念頭に置いておくべき疾患なのだと思いますが、その稀な疾患だけではなく、逆に、「糖質過剰摂取」による害にも目を向けて頂きたいと思うのです。
ご紹介した『「糖質制限」が子供を救う』に出てくるお子さんたちは、みな学校給食を食べている年齢のお子さん達ですので、そもそも厳しい糖質制限の実行は不可能です。ですので、問題なのはむしろ「糖質の過剰摂取」という点にあるのですが、この「糖質の過剰摂取」までを是とする医師はいないと思います。その「糖質の過剰摂取」がいかに子供の健全な成長に悪影響を及ぼしているか、現場でたくさんの子供を見てきた教育者の視点から、多くの事例が紹介されています。「糖質の過剰摂取」を改め、さらに糖質制限食を実行したことで成績が急上昇した事例も沢山紹介されていますので、個人的にぜひおすすめしたい一冊です。