みかこクリニックに導入予定の機器紹介。
第4弾は、レーザー複合機フォトナSPダイナミスです。
フォトナSPダイナミスは、この1台で、Er:YAG(エルビウムヤグ)とNd:YAG(エヌディーヤグ)という2種類の波長と6つのモードが搭載されている多機能のレーザー複合機です。フォトナ1台で、他社レーザーの6台分以上の機能を搭載していると言っても過言ではない多機能ぶりです。その性能を知った時は非常に興奮しました。今から約10年ほど前に、学会でフラクショナルレーザーの存在を知った時に匹敵するワクワク感でした。その素晴らしさを端的に紹介することはなかなか難しいものがあります。と言うのも、フォトナでは実に様々な治療が可能で、それに合わせたアクセサリーキットも驚くほど豊富だからです。
みかこクリニックの開院当初から導入できるのもその一部です。
そこでまずは、みかこクリニックで可能となる治療のみご紹介したいと思います。
『Er:YAGレーザー』(エルビウムヤグという波長のレーザー)
①口腔内照射:スマイルリフト・アイリフト、いびき、睡眠時無呼吸症候群の改善
②婦人科治療:膣弛緩、尿失禁、萎縮性膣炎、外陰部ホワイトニング
③アブレーティブ・スキンレジュビネーション(肌の若返り)、レーザーピーリング
④イボ・ホクロの除去
『Nd:YAGレーザー』(エヌディーヤグという波長のレーザー)
①ノンアブレーティブスキンリジュビネーション(肌の若返り)
②毛細血管拡張の治療
③脱毛
『Er:YAGレーザー+Nd:YAGレーザー』
①3D / 4D rejuvenation.(顔面のタイトニング)
②TightSculping(2D)(全身の皮膚のタイトニング)
このフォトナの特筆すべき点は、ノンアブレーティブ、つまり組織を蒸散させずに(傷をつけずに)粘膜面に照射できる世界唯一のレーザーである点です。その機能のおかげで、口腔粘膜や膣粘膜にも安全に照射することができるのです。
下の写真は、女性器のアンチエイジングに使用する機器です。いろいろと思うところがあり、高価なオプションでしたが、思い切って導入を決めました。手動式で照射するマニュアルの照射法とキットもあるのですが、正確性を追及するためにオートマティックに照射できる最新のモデルを導入しました。
そして、みかこクリニックにフォトナを導入するにあたり、7月15日の大阪、また翌16日の東京で開かれたセミナーに連日参加してきました。
まず、大阪で開催されたセミナーは、第19回Men's Health医学会に併せて企画されたセミナーでしたので、出席者の半数が泌尿器科の医師という構成でした。まず、日本における女性泌尿器科の権威であり、フォトナによるレーザー治療のパイオニアでもある、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック(ホームページはコチラ)理事長の奥井伸雄先生よる、尿失禁治療の解剖と実践講座を聴きました。この講座で基礎的な事項を理解できましたが、逆にまだ自分で勉強すべきところ、理解が足りないところも明らかになりました。
現在は、加齢による膣の萎縮、乾燥、ゆるみ、陰部の痛み(椅子に座った時)、尿失禁などの症状を、『閉経期泌尿生殖器症候群=GSM』と呼ぶそうです。進行すると最終的には様々な脱症状(子宮脱・膀胱脱・直腸脱)につながります。奥井先生が「いきなり脱症状になる患者はいない。まず膣のゆるみから始まって⇒尿失禁⇒脱症状と進行する。尿失禁や脱症状が出てからでも治療は可能だけれど、そこに至らないようになるべく早期から予防的に治療を行うことが重要」と、レーザー照射による膣のアンチエイジング治療の重要性を話されていたのがとても腑に落ちました。
私はこの治療の勉強を始める前、レーザーの膣照射を『タイトニング(引き締め)』が主目的と考えていたのですが、レーザー照射で重要な目的は、タイトニングが一番ではなく、血流の改善と間質組織(主にコラーゲン)の増生に意義があることがその後にわかりました。川の洪水をせき止める方法に例えるなら、堤防を高くするというよりは厚くすることで決壊を防ごうというイメージです。
実際、企業から提示のあった膣へのフォトナ照射の症例写真は、どれも一見して膣の内腔が狭くなっています。これはタイトニングの効果もありますが、膣周辺の組織がレーザー照射によって「肉厚」になり、結果として内腔が狭くなっているという表現ができると思います。
座学の後は、セミナー会場隣のクリニックに移動し、Adrian Gasper(エイドリアン・ガスパー)先生(以下ガスパー先生)による実技指導を受けました。ガスパー先生は、この分野の論文を読みはじめてから頻回に登場する先生でしたので、ちょっと有名人に合った気分でした。ガスパー先生の紹介を少しだけしておくと、元アルゼンチンメンドーサ大学産婦人科教授で、現在はメンドーサ市内とアメリカのマイアミの二つのクリニックを運営しているドクターです。中南米美容機能産婦人科協会の会長という肩書もお持ちです。
皮膚に対するフラクショナルレーザーが登場したのが2003年から2004年にかけてですが、これをガスパー先生が膣のアンチエイジングに用いたのが2007年で、その時はCO2レーザーだったそうです。その有効性を学会発表したのが2010年で、その後の2012年からフォトナ社のエルビウムヤグレーザーの使用を開始されて、現在に至ります。CO2レーザーは蒸散型(表面に傷がつく)のレーザーですが、フォトナ社のエルビウムヤグレーザーはノンアブレーティブ(非蒸散型(表面は無傷))なので、同じ効果がより安全に得られるのではと考えたのが機種変更の理由だったそうですが、実際にその予想どおりの結果が出ているそうです。ガスパー先生の実技指導では、膣照射によるGSMの治療、尿失禁の治療、妊娠線の治療を見せて頂きました。
翌日の東京でのセミナーでは、ガスパー先生によるスキンタイトニングの実技指導を受けました。具体的には、顔面の4Dタイトニング(実際は5Dでした(DとはDimentionの頭文字をとったもので、この場合、次元という訳が近いでしょうか))、TightSculping(腹部などのたるんだ皮膚の引き締め治療)の実際を見せて頂きました。フォトナの導入を決めてから、その治療バリエーションの多さに驚き、頭に叩き込むべく資料を持ち歩いていたのですが、どうしても資料だけでは理解できない部分を直接見ることができ、またほぼ全ての行程を動画に収めることができましたので、非常に大きな自信になりました。
ガスパー先生との2ショット。
参加されていた医師も私を含めてたったの3人だけでしたので、プライベート感満載の充実したセミナーでした。私以外のお二人の先生は、既にフォトナを愛用されている先生方でしたので、実際の治療の具体的なお話などもお聴きすることができ、こちらもとても有意義でした。
最後に全員集合の写真(写真左はフォトナ日本代理店・ハルテック社長の依田さん。ご自身の体を張った思い切りの良いデモンストレーションにはほれぼれしました。)
みかこクリニックでのフォトナの活躍にご期待ください!