前回の記事の中で、使用する糸について書いていますが、最近、使用する糸を変更しましたので、ご紹介したいと思います。
前の記事の中では、『バイクリル』という吸収糸を使用していると書いていますが、PDS(吸収糸の一種)による中縫いとナイロンによる表縫いの方がさらに傷跡が綺麗に仕上がるという情報を得て、糸を変更してみました。
これまでにバイクリルで縫合した患者さんの傷跡も長期的には問題なく、綺麗になっていました。でも、この『PDSによる中縫い+ナイロンによる表縫い』の場合、抜糸の時点でどこに傷跡があるのか私自身が目を凝らしたほどで、その仕上がりの綺麗さに本当に驚きました。
ただ、綺麗に仕上げるには、糸の素材も重要ですが、やはり縫合の丁寧さも同じぐらい重要だと考えています。上の写真の手術の時も、ナイロンでの表縫いが必要ないくらいに、中縫いでしっかりと傷を合わせました。執刀開始から両側の縫合が終了するまで、1時間半をかけて丁寧に手術を行ったことも、結果が良かった理由だと思います。
今後もより良い方法があれば、常に変更していく予定です。