以前に健側の減量・挙上術の記事を書きましたが、その後、数名の患者さんから、健側の減量・挙上術に関して当院を受診したいとのご相談を頂きました。しかし、どの患者さんもかなりの遠方にお住まいとのことだったので、相談の結果、他院をご紹介するなどして、当院の受診には至りませんでした。
健側の減量、挙上術は自費となるため、公的医療機関や一般の民間病院では行っている施設が少ないのが実情です。美容外科で行っているクリニックは数多くありますが、美容外科のクリニックは敷居が高いと思われる患者さんも多いのではないかと思います。また、美容外科のクリニックでは日帰り手術となるため、不安を感じる方もいらっしゃると思います。そこで、大学病院で健側の減量・挙上術を行っている神戸大学の美容外科をご紹介したいと思います。
神戸大学の美容外科では、原岡剛一先生を中心に様々な美容治療を行われています(原岡先生のプロフィールはこちら)。ホームページで、乳房の減量・挙上(=縮小術)について詳しく解説されていますので、こちらはとても参考になります。
神戸大学医学部附属病院 美容外科 乳房の縮小術のページはコチラ
こちらのホームページはイラストも含め、全て原岡先生の手作りなのだそうです。作成に相当な手間と時間を要しているので、乳房再建向けの患者さんを対象にした内容まではまだ掲載されていないそうですが、原岡先生に確認したところ、乳房再建患者さんの健側の挙上も行なわれているとのことです。
ところで、原岡先生との出会いは、2014年の長崎での形成外科学会総会でした。会場の廊下で不意「高木先生ですよね、ブログ書いてますよね?」と声をかけられました。その頃はまだブログに顔写真なども載せておらず、自分としてはひっそり書いているつもりだったので、同業である医師に知られていることにびっくりして、おおいにたじろぎました。一度お会いすればお分かりになると思いますが、原岡先生はとても気さくで親しみやすいお人柄のため、すぐに打ちとけ、そのまま廊下でしばらく立ち話をした記憶があります。その時にお話した内容も、健側の減量・挙上術をどう行っているか、といった内容だったことを覚えています。そのころ原岡先生は前職の府中病院で乳房再建にも注力されていました。やはり、両側のバランスをとる目的で、健側の縮小術の必要性を強く認識され、健側の縮小術も積極的に行われていらっしゃいました。
その出会い以降、学会などでお話しさせて頂くようになり、原岡先生の温かいお人柄と仕事への情熱に何度も感銘を受けて来ました。 ちなみに、原岡先生は、以前、乳房再建患者さん向けの下着の記事(記事はコチラ)に登場した『熱い男性演者』のおひとりでもあります。
原岡先生の乳房再建の技術・実績、そしてお人柄。また、入院可能な施設であること、大学病院であることなど、3拍子も4拍子も揃っていますので、関西方面で健側の減量術が可能な病院をお探しの患者さんにはお勧めの施設だと思います。